ワイド/シーテッド/インクライン他 『筋トレのバリエーション種別』の全まとめ

数が多く分かりづらい筋トレ種目のバリエーションについて、

  • どのような種類があるのか
  • 取り入れる目的や特徴

をまとめます。

タップできるもくじ

バリエーション種目とは?

バリエーション種目とは?

ある筋トレ種目に対して、動作や姿勢、器具などの要素を変えた種目をバリエーション種目とよびます。

例えば、「ワイドベンチプレスは、通常よりも手幅を広くして行うベンチプレスのバリエーション種目です」といった具合に用います。

バリエーション種目を取り入れる主な目的

筋肉を成長させるには、継続して刺激を与えることが重要です。しかし、同じトレーニングばかりしていると、筋肉がその刺激に慣れてしまいます。
そこで、普段とは異なる刺激を与えて継続的な筋肉の成長を促すために、「バリエーション種目」が取り入れられることがあります。

また、トレーニング内容に変化をつけることで、飽きずに続けられるようになり、モチベーションを保つことにもつながります。

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身体的・精神的なマンネリを防ぎ、長期的なトレーニング効果を高める!

同じバリエーション名でも効果は種目次第

同じバリエーションの名前がついていても、どの筋肉に効くかは種目によって違います。
例えば、同じ「ワイド」でも、

  • ワイドスクワットではももの内側やお尻が
  • ワイドベンチプレスでは胸の外側

主に使われます。

このように「ワイドは体の外側、ナローは体の内側」等と単純に決められるわけではありません。

この記事では、種目ごとの細かい違いではなく、各バリエーションの基本的な特徴や目的だけを紹介しています。

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各バリエーションの詳しい効果については、それぞれの種目を説明したページを参考にしてください!

手幅・足幅のバリエーション

バリエーション一覧

  • ワイド(ワイドグリップ、ワイドスタンス)
  • ナロー(ナローグリップ、ナロースタンス)

ワイド(手幅や足幅を広めにとる)

手幅や足幅を広めにとるバリエーション種目がワイドです。
例えば、ワイドスクワット、ワイドベンチプレスなどの種目が知られています。

MEMO
ワイドスタンス、ワイドグリップ等とよばれることもあります

ナロー(手幅や足幅を狭めにとる)

手幅や足幅を狭くとるバリエーションがナローです。
例えば、ナロープッシュアップやナローチンアップなどの種目が知られています。

MEMO
ナロースタンス、ナローグリップ等とよばれることもあります

器具のバリエーション

バリエーション一覧

  • バーベル
  • ダンベル
  • 自重
  • ケーブル
  • マシン
  • チューブ/バンド
  • スミスマシン
  • その他(ケトルベル、メディシンボール等)

バーベル(両手で一本のバーを使う)

バーベルを用いて行うバリエーションです。高重量を安定して扱えるという特徴があります。 例えば、バーベルスクワットやバーベルベンチプレスが知られています。

MEMO
ベンチプレスなどバーベルを用いることが一般的な種目の場合、種目名に明記されないこともあります

ダンベル(片手ずつ持つ)

ダンベルを用いて行うバリエーションです。片手ずつ独立して動作できるため、可動域が広く、左右のバランス改善にも有効です。
例えば、ダンベルアームカールやダンベルフライが知られています。

MEMO
アームカールなどバーベルを用いることが一般的な種目の場合、種目名に明記されないこともあります

自重(自身の体重のみを利用)

自分の体重を負荷として使うため、器具がなくても手軽に行えます。
例えば、プッシュアップやスクワットが知られています。

MEMO
プッシュアップなど自重で行うことが一般的な種目の場合、種目名に明記されないこともあります

ケーブル(滑車付き器具)

動作中常に一定の負荷がかかり、自由な方向で負荷を与えることができるバリエーションです。
例えば、ケーブルクロスオーバーやケーブルプレスダウンが知られています。

マシン(専用器具)

特定の筋肉を鍛えることに特化した専用マシンを用いて行います。軌道が固定されるため初心者にも扱いやすく、安全性も高い特徴があります。
例えば、マシンアームカール、マシンショルダープレスが知られています。

チューブ/バンド(ゴムの弾性を利用)

動作の終盤ほど負荷が強くなる特性を持つゴムを利用したバリエーションです。動きはじめに負荷が小さいためケガをしづらい特徴があります。
例えば、チューブアームカールやバンドスクワットが知られています。

スミスマシン(軌道固定式バーベル)

バーが垂直方向のレール内を動くため、安全性が高く一定の軌道で動作可能です。
例えば、スミスマシンスクワットやスミスマシンベンチプレスが知られています。

姿勢・角度のバリエーション

姿勢や身体の傾きを変えるバリエーションで、主にトレーニング効果が見込まれる筋肉の部位が変わってきます。

宅(タク)

重力の向きは一定なので、姿勢が変わることでどこに負荷がかかるかが変わる!

バリエーション一覧

  • スタンディング
  • シーテッド
  • インクライン
  • デクライン
  • ライイング

スタンディング(立位)

立った姿勢でトレーニングを行うため、体幹の安定性やバランス能力も必要とされます。
例えば、スタンディングショルダープレス、スタンディングアームカールが知られています。

MEMO
立って行うことが一般的な種目の場合、種目名に明記されないこともあります

シーテッド(座位)

狙った筋肉に集中しやすくするため、安定性の高い座った姿勢で行うバリエーションです。
例えば、シーテッドダンベルカール、シーテッドショルダープレスが知られています。

MEMO
座って行うことが一般的な種目の場合、種目名に明記されないこともあります

インクライン(頭側を高くした姿勢)

ベンチ台の頭側を高くした姿勢で行うバリエーションです。通常とは異なる特定の筋肉の部位に刺激を与えることを目的に行われます。
例えば、インクラインベンチプレス、インクラインダンベルカールが知られています。

デクライン(頭側を低くした姿勢)

ベンチ台の頭側を低くするバリエーションです。通常とは異なる特定の筋肉の部位に刺激を与えることを目的に行われます。
例えば、デクラインベンチプレス、デクラインシットアップが知られています。

ライイング(仰向けに寝た姿勢)

仰向けに寝て行うバリエーションです。特定の筋肉の部位に刺激を与えることを目的に行われる他、安定性が高いのも特徴です。
例えば、ライイングトライセプスエクステンションやライイングレッグレイズが知られています。

動作範囲のバリエーション

バリエーション一覧

  • フル(フルレンジ)
  • パーシャル
  • ハーフ
  • クオーター
  • パワー
  • ストレッチポジションのみ
  • コントラクトポジションのみ

フル(全可動域)

関節の可動域全体を使い、筋肉を広範囲に刺激するバリエーションです。
例えば、フルスクワットやフルレンジベンチプレスが知られています。

MEMO
ベンチプレスなどフルレンジで行うことが一般的な場合、種目名に明記されないこともあります

パーシャル(一部の可動域)

可動域全体の中の一部分のみを使い行うバリエーションです。動作範囲が制限される反面、より重い重量を扱いやすいという特徴があります。
例えば、パーシャルスクワットやパーシャルベンチプレスが知られています。

ハーフ(半分の可動域)

パーシャルの中でも動作範囲を約半分に制限して行う方法がハーフです。
例えば、ハーフスクワットやハーフベンチプレスが知られています。

クオーター(1/4の可動域)

パーシャルの中でも動作範囲を約4分の1に制限して行う方法がクオーターです。
例えば、クオータースクワットが知られています。

パワー(力の発揮しやすい範囲)

全可動域の中で、力を発揮しやすい可動域に絞って行うバリエーションです、
例えば、パワークリーンが知られています。

ストレッチポジションのみ(筋肉が伸ばされていく動作)

筋肉が伸ばされていく動作(ストレッチポジション)のみを行うバリエーションです。より重い重量を扱いやすいという特徴があります。
例えば、スクワットやアームカールなどで行われます。

宅(タク)

アームカールならダンベルを下げていく動作のみを行う!

コントラクトポジションのみ(筋肉が縮んでいく動作)

筋肉が縮んでいく動作(コントラクトポジション)のみを行うバリエーションです。
例えば、スクワットやアームカールなどで行われます。

宅(タク)

アームカールならダンベルを持ち上げる動作のみを行う!

握り方のバリエーション

バリエーション一覧

  • オーバーハンド(オーバーハンドグリップ)
  • リバース(リバースグリップ)
  • ニュートラル(ニュートラルグリップ)

オーバーハンド(順手で握る)

手のひらを下に向けた順手で握るバリエーションです。
例えば、デッドリフトやベンチプレス、プルアップなどでよく使用されます。

MEMO
オーバーハンドグリップは一般的な握り方のため、種目名に明記されないことも多いです

リバース(逆手で握る)

手のひらを上に向けて逆手で握るバリエーションです。
例えば、リバースグリップバーベルカールやリバースグリップローイングが知られています。

ニュートラル(自然な向きで握る)

手のひらが体の中心に向かい合った自然な握り方で行う種目です。
例えば、ニュートラルグリップでの懸垂やダンベルプレスなどが知られています。

MEMO
ニュートラルグリップは一般的な握り方のため、種目名に明記されないことも多いです

動作スピードのバリエーション

バリエーション一覧

  • スロー
  • ポーズ

スロー(ゆっくり動作する)

1回あたりで6~8秒などと、動作スピードを意図的に遅くして、筋肉への刺激時間を長くする方法です。

重い重量を使わなくても筋肉に刺激を与えられるため、高齢者が安全にトレーニングする方法として利用されることがあります。

MEMO
このバリエーションはスロートレーニング(正式名称:筋発揮量力維持スロー法)ともいい、スロトレという通称でよばれることもあります

例えば、スロースクワットやスロープッシュアップが知られています。

ポーズ(一時停止する)

動作途中の特定の位置で一定時間静止(ポーズ)するバリエーションです。筋肉へ与える刺激に変化をつける以外にも、反動を使うクセを防ぐ目的で行われことがあります。

例えば、ポーズスクワットやポーズベンチプレスが知られています。

その他

バリエーション一覧

  • オルタネイト
  • シングル(片足、シングルレッグ、シングルアーム、ワンレッグ、ワンアーム)
  • スプリット

オルタネイト(左右交互に動作する)

左右の手や脚を交互に動かすことで、バランス能力や左右均等な筋力を養います。
例えば、オルタネイトダンベルカールが知られています。

シングル(片側だけを動作させる)

左右片側のみで行うバリエーションで、左右バランスを整える上で効果的です。
例えば、シングルデッドリフトやシングルショルダープレスが知られています。

スプリット(前後に脚をずらして配置)

前後に脚をずらした配置で、バランスを取りつつ片側ずつ集中的に刺激します。
例えば、スプリットスクワットやランジが知られています。

まとめ

  • 筋トレ種目には多くのバリエーションがあり、慣れを防ぎつつ、継続的な筋肉の成長を促す効果がある
  • 手幅・足幅、器具、姿勢・角度、動作範囲、テンポなど様々な観点のバリエーションがある
  • 例えば、手幅を通常よりも狭くとった、ナローベンチプレスがベンチプレスのバリエーション種目としてあげられる