「インクラインダンベルカール」や「ワイドスタンススクワット」など、筋トレの種目名には様々な言葉がついています。これらは一見複雑ですが、実はわかりやすい名前の付け方のルールが存在します。
この記事では、
- 筋トレ種目名の成り立ち(組み合わせる言葉と基本の動き)
- 言葉が並ぶ順番のルールと日本の特徴
- 名前の慣習とこのサイトの書き方のルール
など、日本における筋トレ種目の名前の付け方のルールについて解説します。
筋トレ種目名の成り立ち
筋トレの種目名は、どのようにして成り立っているのでしょうか。まずは基本的な仕組みと、名前に使われる言葉の種類を解説します。
名前は「前につく言葉」と「基本の動き」の組み合わせ
筋トレ種目名は、基本の動きに対して様々なやり方を示す「前につく言葉」を組み合わせることで構成されています。この前につく言葉は、そのトレーニングを「どのように行うか」を教える役割を担います。
例えば「ベンチプレス」という基本種目について考えてみましょう。
- 「インクライン(傾斜をつけた)」という言葉を加える
→ インクラインベンチプレス - さらに「ダンベル(器具)」という言葉を加える
→ インクラインダンベルベンチプレス
このように、言葉を組み合わせることで、色々なやり方の種目が示されます。
宅(タク)
前につく言葉の8つの分類
種目名に使われる前につく言葉はたくさんありますが、その役割に応じて主に8つのグループに分類できます。これらを知ることで、種目名の意味がはっきりします。
前につく言葉は、トレーニングのくわしい情報を伝える役割を持っています。
- 使用器具・負荷(何を使うか)何を使って行うかを示します。最もよく使われるグループです。例:ダンベル、バーベル、ケーブル、マシン
- 姿勢・体勢(どんな格好で)どのような姿勢や角度で行うかを示します。例:スタンディング(立つ)、シーテッド(座る)、インクライン(頭を高く)、デクライン(頭を低く)
- グリップ・スタンス(どう握るか・足幅)握り方、手幅、足幅を示します。例:ワイド(広く)、ナロウ/クローズ(狭く)、リバース(逆手)
- 動きの方向(どっちに動かすか)どの方向に動かすかを示します。例:フロント(前)、サイド/ラテラル(横)、バック(後)
- 片側・両側(片方ずつか)片手や片足で行う動きを示します。例:ワンハンド(片手)、シングルレッグ(片足)
- 動きのやり方・範囲(どう動かすか)動かす範囲や特定のやり方を示します。例:フル(全範囲)、ハーフ/パーシャル(部分的)、オルタネイト(交互)
- 特定のスタイル(特別なやり方)特別なやり方を示す名前です。例:ブルガリアン、ルーマニアン、フレンチ
名前のルール:言葉が並ぶ順番
複数の言葉が組み合わされるとき、その順番はランダムではありません。分析の結果、日本においても共通するわかりやすい仕組みがあることが確認できました。
原則は「準備から動き」の流れ
前につく言葉が並ぶ順番には、基本的な考え方があります。名前の付け方のルールは、「トレーニングの準備から動きへの流れ」に沿っています。
つまり、全体像を決める大まかなやり方(準備)が先に来ます。そして、基本の動きの名前に近づくにつれて、よりくわしい動きのやり方(実行)が書かれます。
【名前の仕組みの原則】
宅(タク)
「姿勢」や「器具」が先に来る
トレーニングのやり方を最も大きく左右する「姿勢」と「器具」は、普通、名前の最初の方に置かれます。これらはトレーニングを始めるための準備にあたります。
日本においては、「姿勢→器具」の順番が名前の基本として定着しています。
これは、日本語の話し言葉で、「どのような体勢で(姿勢)」「何を使って(器具)」という順番が自然でわかりやすいためだと考えられます。
- 主流の順番の例:「インクラインダンベルプレス」
- [姿勢: インクライン]→[器具: ダンベル]→[動き: プレス]
「グリップ」などは基本の動きの直前
グリップ(握り方)、スタンス(足幅)といった細かいやり方は、準備(姿勢や器具)よりも後、基本の動きの直前に置かれる傾向があります。このルールは日本国内で定着しています。
言葉の並び順は、大まかなやり方が先に来て、基本の動きに近づくほどくわしい動きが書かれます。
例えば、「ナローグリップベンチプレス」の場合です。
- [グリップ: ナローグリップ(手幅を狭く)]
- [動き: ベンチプレス]
基本の動きに対して、細かいやり方を指定しています。
さらに多くの要素が組み合わさる複雑な種目名でも、この考え方は当てはまります。
例:「デクラインナローグリップバーベルベンチプレス」
[姿勢: デクライン] + [グリップ: ナローグリップ] + [器具: バーベル] + [動き: ベンチプレス]
慣習的な名前と書き方のルール
名前の付け方には基本的なルールがありますが、全ての種目で厳密に当てはまるわけではありません。ここでは、昔から使われている慣習的な名前と、このサイトにおける書き方のルールについて解説します。
決まった言い方と例外
名前の付け方のルールよりも、昔からの慣習が優先されるケースがあります。特定の組み合わせが決まった言い方として定着している場合です。
これらは、特別なスタイルを示す決まった名前です。
- ブルガリアンスクワット
- フレンチプレス
- ルーマニアンデッドリフト
また、「ワンハンド(片手)」「シングルレッグ(片足)」といった片側で行う動きを示す言葉と「器具」の順番は、決まっていないことがあります。
- 混在の例:「ワンハンドダンベルロウ」と「ダンベルワンハンドロウ」
どちらの書き方も広く使われており、名前のルールは厳格な決まりというより、慣習とわかりやすさに基づいた柔軟な考え方として使われています。
このサイトの書き方のルール(省略と連結)
種目名の書き方には、いくつかのパターンが存在します。このサイトでは、読みやすさと探しのやすさを考えて、以下のルールを採用しています。
具体的には、以下の2点に基づきシンプルで統一された書き方を目指します。
- 前提条件の省略:長くなるのをさけるため、その種目を行う上で当たり前とされる前提条件(特に姿勢)は省略することがあります。
- 例:「スタンディングバーベルカール」→「バーベルカール」(立って行うのが一般的なため)
- 連結表記(中黒の省略):種目名では、中黒(・)やスペースを使って区切る方法(例:インクライン・ダンベル・カール)もあります。しかし、このサイトではこれらを省略し、つなげて書くことを基本とします。
- 例:「インクラインダンベルカール」「ナローベンチプレス」
まとめ
筋トレ種目の名前の付け方には、共通したわかりやすいルールが存在します。前につく言葉の種類と並ぶ順番のルールを知ることで、トレーニングの理解が深まります。
- 種目名は「前につく言葉(やり方)」と「基本の動き」の組み合わせでできており、前につく言葉はいくつかのグループに分けられる
- 名前の付け方の基本ルールは「準備から動きへの流れ」であり、「準備(姿勢・器具)→ くわしい動き(グリップなど)→ 基本の動き」の順番に並ぶ
- 日本では特に「姿勢→器具」の順番が主流であり、このサイトでは簡潔さのためつなげて書いたり、前提条件を省略したりする方法を使う
