TUGテスト(Timed Up and Go test)について、
- 年齢別の平均値
- カットオフ値およびその出典元
をまとめます。
宅(タク)
論文や公的文書といった統計データをもとにした値をまとめています
タップできるもくじ
TUGテスト(Timed Up and Go test)とは?
高齢者の運動機能評価方法の1つ
TUGテスト(Timed Up and Go test)は、(主に)高齢者を対象とする運動機能評価方法の1つ。椅子から立ち上がり3m先まで歩いて折り返し、再び腰かけるのにかかる時間を測定します。
TUGテストの別名
3m Timed up and go test、TUG、タイムド・アップ・アンドゴーとよばれることもあります特に、下肢筋力、バランス、歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高いことが知られています。
TUGテストのやり方
TUGテストでは、以下の2~3の間にかかる時間を測定します。
- 肘かけのついた椅子に腰かける
- 椅子から立ち上がり3m先にあるカラーコーンまで心地よい早さで歩く
- 折り返して戻り椅子に再び腰かける
注意
測定時に実施者が転倒しないよう細心の注意を払いましょうTUGテストの各種記録
TUGテストのカットオフ値
カットオフ値は、正常とみなす範囲(陰性)と非正常とみなす範囲(陽性)を区切る値のことで、何を正常と定義するかによって異なる値をとります。
代表的なものとして、運動器不安定症におけるTUGテストのカットオフ値が11秒であることが知られています。
なお、このカットオフ値は
- 日本整形外科学会
- 日本臨床整形外科学会
- 日本運動器リハビリテーション学会
の3学会が協議して決定したものです。
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運動器不安定症の詳細には踏み込みませんが、かんたんにいうと転倒のリスクが高まった(転びやすい)状態といえます!
TUGテストの基準値
介護予防ガイド 実践・エビデンス編では、年齢別にTUGテストの5段階記録が示されています。
これらの記録を、悪い・少し悪い・普通・少し良い・良いの5つとして以下にまとめます。
MEMO
介護予防ガイドは、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センターが作成したガイドです年齢 | 悪い | 少し悪い | 普通 | 少し良い | 良い |
---|---|---|---|---|---|
65~69歳 | 7.21秒~ | 6.61~7.20秒 | 6.01~6.60秒 | 5.41~6.00秒 | ~5.40秒 |
70~74歳 | 7.80秒~ | 7.11~7.80秒 | 6.41~7.10秒 | 5.81~6.40秒 | ~5.80秒 |
75~79歳 | 8.61秒~ | 7.61~8.60秒 | 6.91~7.60秒 | 6.21~6.90秒 | ~6.20秒 |
80歳~ | 10.31秒~ | 8.71~10.30秒 | 7.91~8.70秒 | 6.91~7.90秒 | ~6.90秒 |
TUGテストの平均値
年齢別のTUGテストの平均値をまとめます。
MEMO
平均値の出典は、介護予防ガイド 実践・エビデンス編です年齢 | TUGテスト 平均値 | 参考:標準偏差(SD) |
---|---|---|
65~69歳 | 6.34秒 | 1.15秒 |
70~74歳 | 6.94秒 | 1.28秒 |
75~79歳 | 7.44秒 | 1.51秒 |
80歳~ | 8.69秒 | 2.21秒 |
まとめ
- TUGテスト(Timed up and go test)は、高齢者の運動機能評価方法の1つ
- TUGテストの65~69歳における平均値は6.34秒
- 運動器不安定症におけるTUGテストのカットオフ値は11秒